実際、体が硬くて良い訳はありません。人間以外の動物は、必要な動きを
するために、上手に筋肉を使い、骨格を動かします。そのため歪みもなく、
バランスのとれた状態でいます。ですから、身近な動物の“犬”、または“猫”
にしても、自分の体を最大限に活かして動かしています。
ですが、彼らは別に両脚が180度まで開脚させたり、自らがそこまで
開こうと努力はしません。どこまで機能的にしっかりしていれば良いと理解
できれば、無駄なことはしないのです。せかせか動き回るより、のんびりと
していたほうが良いと判断すれば、じっとしているのです。
さて、私たち人間はどうでしょう。特に現代の日本は、便利で楽な社会の
システムに溶け込んでしまいそうです。いくら柔軟性を持つ人でも、やはり
便利さに甘えてしまいますが、できることは自分で行い、身体は日常生活で
支障がないよう(最低限)機能的に動かしていくべきです。怠けず、普段の
動きが、きちんと機能していれば良いのです。
逆に日常生活に支障がなく、最低限に生活できれば、両脚が180度も広がる
ことは必要ありません。本来、ハタヨガでそれらを求めるようなことを指導者が
してはいけません。そういうことに固執(執着)する(させる)のは、単に「心の欲」
でしかありません。
どうぞ無理をせず、少しずつポーズが出来るようになっていく過程を楽しみ
ながら、また体が軽く元氣になっていくのを喜びに、継続させましょう。
写真「チャイとスナックで一休み」
豆澤 慎司