いくら情報に満ち溢れた時代だとしても、ただ知識をたくさん得て理解しただけではいけません。
正しく実践していかなければ、それはヨガをしているとは言えないのです。
一般に「指導すること」を
(1)teach、または(2)coach と言い方が大きく2つあります。
(1)のティーチの場合、『教える』という立場から一方的な指導のあり方ですね。
(2)は、(言葉の語源として)『馬車』で相手の望むところまで送り届けるという意味が
あります。ですからコーチ(コーチング)は、「相手の自発的な行動を引き出していく」
ということであります。
受ける側が、「知りたい、学びたい、習いたい」という意識でティーチされたいのか、
「自分が目標に向かっていけるように導いてほしい」と考えてコーチされたいのかで、自分に合ったスタイル、または指導者を選ぶことになります。
そのため、(ヨガの場合も)
「趣味や勉学、またはポーズなどの上達」などのためであれば、(1)の指導を選び、
「自らの健康のため、ヨガによって自分を変えたい」などのためであれば、(2)の
指導を選ぶべきです。それぞれプログラムや進め方などが変わってきます。
これがマッチングしていないと、双方に違和感が生じてしまい、続きません。
※指導者も、相手が何を望んでいるのかを把握して、指導する必要があります。
もし、受ける側が「健康」を意識し、心身ともに健全となることを望み、その手段としてヨガを選択したのであれば、指導者はヨガの本質をしっかり伝え、本人の実践によって、体得していけるよう指導(コーチング)すべきです。決して一方的な指導ではいけません。
実際にヨガを受ける人の中には、「『健康』になりたいから」と考えている方も多いことでしょう。
さぁ、皆さんは健康になりましたか?
しっかりコーチングしていただけましたか?最後は自分の願う方向へと進んでいると感じましたか?
しかし、あくまでも実践するのは受ける本人です。あれこれ欲張った姿勢で取り組んではいけません。
毎回、ヨガを実践した後、どう感じたか自己を見つめてみましょう。
もし健康(心身ともに健全になりたい)と思ったなら、次の6つを目安として、実践を振り返りましょう。
①身体に「疲れ」や「だるさ」 、また「不快感」など残さず、氣持ちよく行えたと感じる。
→ 実践中、頑張ってやり過ぎないこと。また求め過ぎないことが大事です。
→→ ヨガにおいて、ポーズの出来具合は関係ありません。力で行わないようにいたします。
②姿勢が良くなるので、身体が軽い、またむくみが取れてスッキリしている。「上虚下実」の状態である。
→ できるものだけやるとか、苦手なものに対して手を抜かないこと。必ず反対運動のポーズも行うこと。
→→ だんだん独自のスタイルになったり、ごまかしながらやっていかないことです。
③お腹が空いて、なにを食べてもおいしいと感じる。
→ だからと言って、美食にしたり、多食とならないようにする。身体は、少なめの粗食で十分なのである。
→→ ここが分かれ道です。毎回(ヨガの後)、おいしい物ばかり食べる習慣がついてしまったら、かえって逆効果です。
④不安や心配事、またイライラやストレスなどが解消されて、積極的思考になり、物事を受け入れやすくなっている。
→ 今までモヤモヤしていたことが、霧が晴れるようにイメージして実践していくこと。
→→ 呼吸に意識して、”集中”し実践していくこと。外の世界に意識していかないこと。
⑤その日はぐっすり休む(寝る)ことができ、次の日の朝も氣持ちよく起きれます。
→ 夜、寝る前までに、体内のバランスを崩さないように過ごすことも大事です。ヨガの後、すぐにシャワーを浴びたり、他のトレーニングで疲れさせないこと、またお酒を飲むなどして刺激物を与えないようにいたしましょう。
→→ さらに良い氣が身体中を巡っていくようにして、穏やかに過ごすこと。
⑥排出(便の排泄)がスムーズになり、よい形で臭くない「便」になる。
→ 普段から、”食べる”より”出す”を意識した生活を心掛けること。
→→ 食べて、咽喉元を通ったら、後は内臓に任せ・・・さらに、出ていくものに「知らんぷり」ではいけないのである。
さぁ、ヨガに集中し実践して、『健康』にスイッチしていきましょう!
ヨガ担当
豆澤 慎司