初めてハタヨガをレッスンで行う場合、どうしても周りを見ながらポーズをしたり、
覚えたりして進めていっていると思います。最初は動かすのがやっとで、きちんと
呼吸を意識するまではいかないでしょう。でもだんだんポーズの動作や全体の流れ
をつかんできたら、正しい呼吸をしながら、全身を意識してゆっくり動作させていくよう
にいたしましょう。
身体で覚える上で、ハタヨガに限らず、すべて・・・スポーツでも楽器の演奏、調理でも
覚える段階というのは同じですが、卓球で球を打ち返す時、バイオリンを弾く時、
キャベツを千切りにしている時も、まずは正しい動きを観察して始めていきますね。
ハタヨガの場合、上達のコツとしましては、
①まず「イメージ」すること。
②「呼吸」に伴い、ゆっくり動作していくこと。
③「丹田」から全身へと動かし、ある部分に刺激を与えること。
④刺激を与えているところへ「意識」し、全身に集中させること。
⑤体の変化(流れなど)を感じ、実践効果を「感じる」こと。
こうした流れで行うことが大切です。
また体の動かし方としてのポイントは、基本をしっかり行っていくということです。
これは、自分の癖で動作したり、歪みのある中で実践してしまうため、どうしても
やり易い方法になったり、普段使っている力で行いがちです。実践はあくまでも
「自分のできる範囲」でいいのです。それより自分に向き合いながら、自己を
見つめて行っていきましょう。
いい加減に体で覚えてしまうと、ある程度は上達しますが、それ以上は伸びず、
かえって体を痛めてしまう人がいます。ポーズの時、ある部分に力が入り痛めて
しまったり、無理しても反発するだけで、成果が出ないまま終わりです。
大切なことは、丹田に“氣”を込めて、腰部から動かし、体隅々まで伝えて全身を
活かすことです。
ヨガはきれいなポーズをするとか、単に柔らかくすることが目的ではありませんから、
できなくても氣にしなくていいのです。しかし、常に体の隅々まで意識しなければ
いけません。そしてまんべんなく全身を動かし緊張と弛緩をさせて、「氣」を流して
いくのです。焦らず、独自の動きにならないようにして行っていきましょう。
◆写真「我が家の玄関」
豆澤 慎司