これは、(時期について、はっきりではありませんが)紀元300年頃、
パタンジャリという人がまとめたと言われています。
今、多くの人が取り組んでいるハタヨガ(呼吸を主にしてアサナ
〈ポーズ〉をする)についての記述はほとんどなく、どちらかというと
「悟り」への道を目指す内容になっております。
8つの枝【禁戒・勧戒・アサナ・呼吸法・制感・集中・瞑想・三昧】
からなっております。
なおスートラとは、経(つながり)、糸(冊をまとめるときの)と
いう意味です。
これを読んでハタヨガを実践していけばいくほど、新しい発見や氣
づきが出てきます。全体を把握するためには数回の実践で分かるもの
ではなく、長く続けて、初めて分かる部分も多いのです。まるで夜空を
見上げて、一つひとつの星を知り、それを繋いで星座の形が認識できる
ようなものです。
ただ、私たちが実践するハタヨガを「ヨガ・スートラ」に書かれている
ような「悟り」までのプロセスを意識して実践をしなくても、日々のヨガ
実践により、心身を健全にさせることができます。
その上で自分はどうなりたいのか??目標や願いなどをはっきりさせて
おくことも大事です。実践するヨガのイメージをして、(どうなりたいの
か)自己暗示をしながら行い、心身に働きかけていくことは効果的だから
です。いきなり夜空を見て、星座は認識できません。ヨガ実践もゆっくり
慌てず継続させていくことが大事です。
どうぞ、実践の基本である「無理をしない」、「痛いというところまで
しない」という姿勢で行いましょう。そして身体に耳を傾けて「できる
範囲」で行いましょう。
写真「南インドの子供たちと一緒に」
豆澤 慎司