ハタヨガを黙々と淡々と、そして一心(無心)に実践していけば、
氣血は流れていき(陰陽のバランスも整い)、滞ることなく体中を
巡ります。自然に従い、理にかなっていれば、最大の効果が発揮
されるのです。
独学では、実践方法を理解することが難しいでしょう。ですから
正しい指導を受け、しっかり(何度も繰り返し)行い、マスター
いたしましょう。
それではハタヨガを実践する際、どんなことに注意してすれば
よいのでしょうか?
①実践するアサナ(ポーズ)などの「イメージ」をする。そして
その名前を理解し、それになりきるように行う。
②「順序・流れ」を覚える。上下・前後・左右などのバランスを
均一にしながら、動作するように心がける。
③「呼吸」に伴って、動作する。吸う時には伸びていき、吐く時に
緩んでいく。
④刺激を与えている部分は力を入れず、さらに呼吸によって
「刺激」を与える。
⑤刺激の与えている部分に「意識」をする。
⑥考えるのではなく、「感じていく」こと。体感していくが肯定的な
感じ方をしていく。
⑦「氣血の流れ」を感じていく。動作には余分な力を入れず、
一つ一つメリハリ(交互に緊張と弛緩)をつけながら、終わる
まで途切れないように進めていく。
以上のことを、一つ一つ丁寧に体で覚えていき、スムーズに行う
ことができるようになれば、「氣づき」が生まれ、潜在意識に入り、
自然と良くなっていくのです。
さらにハタヨガを実践するということは、ただ、「今の自分を
感じる」ということ。いろんな思いが心にあって、残っていたり、
引きずったままでは、感じるべき心はここにありません。例えば
食べている時、何か見ていれば(聞いたり、おしゃべりしながら
では)食べ物の味は分かりません。これと同じです。ヨガの最中、
他のこと(これまでのこと、これから先のことなど)に氣を取ら
れたりせず、今の自分に意識して感じていきましょう。体への
刺激は適切か?どのように与えているのか?痛氣持いと感じて
いるか?呼吸はどうか?・・・など。
脳(心)で答えを出そうとしたり、考えるなど働かせようとする
必要はありません。
もちろん、感じるということができるのは、脳(心)です。
同じ心でも、“働いている心”と“ただ見ている(感じている)
心“とは違います。ヨガのレッスン中は、ただ今の状態を見つ
めるだけなのです。そうなれば、体は自然に戻り、良い氣で満た
されて
いきます。気力も湧いてきます。
答えは心ではなく、体が教えてくれるのです。
写真 「時には力を抜いて」
豆澤 慎司